2026年の富士登山シーズンも、あと10日で終わります今季も沢山のお客様と富士山を歩くことができました。
今年は、プライベート登山約60本をはじめ、THE NORTH FACE様の新人研修登山、学校登山、企業登山など、本当に多くのご依頼をいただきました。
一つひとつの登山に、それぞれのお客様の想いがあります。
初めて富士山に挑戦する人。
家族と一緒に山頂を目指す人。
学校行事で仲間と挑戦する子どもたち。
企業研修として、自分自身の限界に挑戦する人。
私たちは、その一つひとつの想いを背負って、富士山に入っています。
だからこそ、私たちガイドには絶対に曲げてはいけないものがあります。
「安全より優先するものはない」
富士山は、観光地である前に、厳しい自然環境を持つ山です。
天候は変わります。
風は強くなります。
雷が発生することもあります。
そして、山では一度判断を誤れば、その判断が大きな事故につながる可能性があります。
だから私たちは、警報・注意報が発令されている場合や、悪天候によって安全な登頂が難しいと判断した場合、登山を中止します。
たとえ、お客様が楽しみにしていたとしても。
たとえ、ガイドとして山頂まで連れて行きたいと思っていても。
たとえ、その判断によって売上がなくなったとしても。
安全を優先します。
私たちにとって、お客様の命と安全は、売上と引き換えにできるものではありません。
「山小屋まで行けばいい」ではない
富士登山の目的は、山小屋に泊まることではありません。
もちろん、天候や体調によって途中で下山することもあります。それは決して失敗ではありません。
しかし、そもそも安全な登頂が見込めない状況で、
「せっかく予約したから」
「山小屋までは行けるから」
「ツアーを中止すると売上にならないから」
という理由で山へ入ることは、私たちの考え方とは違います。
登頂できる可能性がないのであれば、ツアーそのものを催行しない。
それが、フジヤマトレックツアーの考え方です。
お客様からいただくお金は、私たちにとって「安全を犠牲にしてでもツアーを実施するためのお金」ではありません。
大切な命を預かり、安全に山を楽しんでいただくための仕事として、責任を持っていただいているものです。
ガイドだからこそ、止める勇気を持つ
山頂を目指すことは大切です。
でも、ガイドの仕事は「何が何でも山頂へ連れて行くこと」ではありません。
時には、
「今日はやめましょう」
と伝えることも、ガイドの重要な仕事です。
お客様にとっては、楽しみにしていた富士登山。
その日に向けて予定を調整し、準備をして、遠方から来てくださった方もたくさんいます。
だからこそ、私たちガイドは、その決断を軽く考えてはいけません。
「中止する」という判断にも、責任があります。
そして、その責任を背負う覚悟があるからこそ、私たちは山に立っています。
2026年、たくさんの「ありがとう」をいただきました
2026年、多くのお客様と富士山を歩き、たくさんの笑顔を見ることができました。
山頂に立った瞬間の喜び。
仲間と抱き合う姿。
家族で喜ぶ姿。
そして、無事に下山していただいたときの「ありがとう」。
その一つひとつが、私たちの力になっています。
富士山は、毎回違います。
同じルートでも、同じ天候でも、同じお客様でもありません。
だからこそ、私たちは毎回真剣に山と向き合います。
一人のお客様の命を預かる責任。
その責任を忘れず、これからも富士山に立ち続けたいと思います。
私たちは、売上のために山へ行くのではない。
お客様の大切な一日を、安全に終えていただくために山へ行く。
それが、フジヤマトレックツアーの信念です。
2026年、私たちと一緒に富士山を歩いてくださったすべての皆様。
本当にありがとうございました。
そしてこれから富士山に挑戦する皆様。
山頂だけを見ないでください。
山を楽しみ、自然を感じ、そして何より、無事に帰ってくる。
その先に、本当の「登頂」があると私たちは考えています。
閉山まであと10日 無事に事故なくツアーを行い、2027年 また富士山でお会いしましょう。